乳幼児の子育て

お子ちゃまパパ問題

2003年から2007年まで、ファミリーライフエデュケーターとして、たくさんの乳幼児のお母さん達と話をしてきました。その頃の母親たちの悩みと、2020年現在、ネットの中で見かける今の乳幼児の母親たちの悩みとが、驚くほど変わっていないことに、ため息をついています。

そして、その悩みの元凶が、お子ちゃまパパ問題(このネーミングは私が勝手につけました)。
これも、今も昔も変わりません。(※シングル家庭ではないケースです)
そこで、幸せになるためにこれは避けて通れない、ということで、今回はこの問題と格闘してみます。

mami
mami
専業主夫や子育てする父親の皆さんは、パパとママ、父親と母親を変換して読んでくださいね。
お子ちゃまママの存在は未確認なので、ここでは、マジョリティのお子ちゃまパパについて書いていますが、お子ちゃまママのケースもあるかもしれません。

お子ちゃまパパってどういうパパ?

読んで字の通り、大人になりきれていない男性が、そのまま結婚し子どもを持ってしまった状態のことを指しています。
なにをもってお子ちゃまなのかというと、シンプルに「自分の”やりたい”を一番先にしてしまう人」ってことです。

自分が外出したくても、寝ている子を置いてはいけない。
自分がおなかが空いてなくても、ご飯は作らなくちゃいけない。
自分が眠くなくても、添い寝をしてやらなくちゃいけない。

というふうに、子育てというのは、自分のやりたいを抑えるのが当たり前の営み。
ここに挙げた例だけでなく、一事が万事がそうですよね。

それなのに、お子ちゃまパパは、
子育てを優先できない。
ママの子育ての大変さを思いやれない。
あるいは、自分の都合が悪くなるので、気づかないふりをしている。
とにかく、
子育てより、自分のやりたいことを優先してしまうんです。

たとえば、パパが働いてママが家にいるケースだと、

会社から帰ってきたら、赤ちゃんの世話を手伝うことなく、すぐゲーム機に向かってしまう。
休みの日には、子守を代わることなく釣りに出かけてしまう。
「忙しいんだからしかたないだろ」と仕事ばかりして、子育てを一切顧みない。

といった現象がある。

共働きだったら、

子どものお迎えや学校の用事はママが行くのが当たり前だと思っている。
家事を手伝わない。
ママの方がステータスがある仕事をしている場合、それが受け入れられない。

などの現象が。

具体的にはそんなイメージのパパたちのことです。

これが、オトナなパパだったら、

赤ちゃんの世話や家事は率先してするし、休みの日は子守を代わるし、子どもの用事はいっしょに担ってくれるし、仕事を理由に家族を蔑にしないし、ママの出世は、自分の気持ちを整理して、きちんと評価してくれる。

ここまで読んで、自分のパートナーがオトナなパパだったと気づいた人は、ぜひ、その稀な幸せを噛みしめてほしいです。
オトナなパパがパートナーの人は、もうそれだけで幸せを手に入れたようなもの。

残念ながら、私の今までの経験値では、お子ちゃまパパのほうが、パパのマジョリティでしたから。

子育ての悩みとお子ちゃまパパ

ファミリーライフエデュケーションの講座は、多方向コミュニケーション。参加者全員が、自分の課題をシェアしてみんなで一緒に考えていくスタイル(重篤な場合は個別支援に繋ぎます)。

そんな子育ての悩みを語る母親向け講座を繰り返してきて、私は、あるセオリーに気がつきました。

子育ての悩みは
みんなの力で解決できる悩み
どうにも解決できない悩み
の2種類に分けられる。
そして、解決できない悩みの背後には、必ずお子ちゃまパパ問題が横たわっている。

お子ちゃまパパ問題を解決するために

なにしろ、全国どこの自治体に行っても、必ずお子ちゃまパパ問題に行きあたるので、私も、ない知恵をなんとか絞って、対処法を編み出しました。
下記に分類した5つの方法は、行く先々で、「うまくいくかどうかはわからないけれど、試してみてね」「こういう選択̪もありますよ」とママたちに伝授していたものです。
参考にしてください。

押して引く法(洗脳その1)

子どもが生まれてすぐから、「お父さんとはこういうもの」「これをやって」「あれをやって」「これが必要」「こう考えて」と、徹底的に口うるさく父親としての仕事をオーダーします。
もちろん、そんな面倒なことはやりたくないお子ちゃまパパですから、抵抗したり、言った通りにやらなかったりすると思いますが、いいのです。
本人が実際にやるかやらないに関わらず、とにかく「父親としてやらなければならないこと」の全ての情報を、来る日も来る日も雨のように降らし続けてください。そうして、「父親としてどういうことをしなければいけないか」を、パパの脳に刷り込みます。

お子ちゃまパパが、自分の育ってきた家庭をお手本に、父親は子育てしないものと思い込んでいる程度の軽症なら、この時点で、お子ちゃまパパを卒業できる人もいるかもしれません。

この時点でダメなら、次の段階も試しましょう。
パパが変容する兆候が見えなければ、毎日口うるさく言い続けます。
そして、もうウンザリし尽くした頃に、口撃を一切ストップします。もう要求もしません。

さんざんうるさく言われてきたので、たとえお子ちゃまパパといえども、父親としてやるべきことはもう頭に入っています。
それが突然、父親業をやらないことを一切非難されなくなる。
するとパパたち、なんだか居心地の悪い感じがしてくるものです。

この状況で、そのまま、父親任務を放棄し続けるほど重症の人は意外といません。
「なにも言わないけど、どうしたんだろ。やっぱちょっとはやんなくちゃ駄目かなあ。」と
前よりは、子育ての方を向くようになります。

パパがちょっとでも手伝ったら、ほんの少しの事でもしっかり評価し、共に子育てできる喜びを伝えましょう。
この間まで、やらないことをさんざん非難され続けていたので、少しやっただけで大いに褒められると、パパは逆に、「このくらいでいいならやろうか」という気になるのです(と思う)。

やらずにさんざん非難されてきた後の、喜ばれ褒められることの小さな積み重ねは、少しずつお子ちゃまパパを成長させる……かもしれません。

~してるんだって法(洗脳その2)

してるんだって法を使う場合は、世間話として一切非難めいたニュアンスを含まないのが、鉄則!

身近なパパ仲間の情報でも、あるいはスポーツ選手や芸能人などのネット情報でもいいかもしれません。

「・・さんって、~してるんだって」
と、巷の有名無名な父親の子育て情報を、世間話のトーンで伝えます。

繰り返しになりますが、ここで、
「だからあなたもやってよ」
「見習ってよ」
は、絶対言わない!!

ただ、単純に、少しずつ、「父親っていうのはこういうもんだ」というイメージを、パパの中に蓄積していくのです。

この蓄積が溜まりに溜まって、
「仲のいい友人や憧れているスポーツ選手がそうしているのなら、自分もやるしかないか」
とパパが思ってくれたらこっちのもの!

先輩にお願いする

お子ちゃまパパは、不思議と、同性の先輩の言うことには素直です。
悪く言うと男尊女卑あるいは上に従順下に厳しい、という特性がありがち。

この特性がパートナーに見られたら、この方法は効果的です。

まずは、お子ちゃまパパが尊敬する人物のなかで、オトナなパパを探します。
そして、その人にお願いして、お子ちゃまパパに子育てに協力するよう優しく諭してもらうのです。
なるべく自然な感じで、その方からアプローチしてもらうのがポイント。
ママの差し金で動いたという展開だと、パパはおへそを曲げてしまうかも。
あくまでも、その方自身の好意で、ママのために一肌脱ぐことにしたという雰囲気でお話してもらいます。

その後も時折、その方に「ちゃんとやっているか」と声をかけてもらう。
そうすれば、「あー先輩に言われちゃあ、やるしかないかあ」と、お子ちゃまパパも重い腰を上げる……かもしれません。

mami
mami
ここまでは比較的軽症タイプへの対処法。ここからは、重症向けかな……。

諦めの選択

いろいろアプローチしても、どうにも動かない。
もう、この人には子育てを分かち合うことは期待できない。

そんな時にはもう割り切って、パパの子育てを一切あきらめるという選択肢もアリだと思います。
というか、それを選ばざるを得ないという人がとても多いのです。
離婚に踏み切れない、経済その他の問題もあるかもしれません。

もう、覚悟して、自分ひとりで育ててしまう。

と言っても、心理的には、いろいろだと思います。
結果的にこれを選ぶしかないなんて、せつないですよね。

せめて、情報として、
この方法を選ぶ人は、決して少なくありません。たくさんのママたちが、パパがいながら、覚悟してこの方法を選んでいることは、知っていてほしいと思います。

究極の選択

パパがいながら、パパの子育て参加をあきらめるという選択肢では、どうしてもおさまりきれない時には、離婚という選択肢もあります。

いてもあてにならないよりは、いないほうが、シングルで育てる方がいい、という考えもあると思います。
もうすでにこの選択をした方もあるかもしれません。

お子ちゃまパパに一生苦しむくらいなら、早めに精算して新しい未来を描きましょうか。
それとも、修羅場覚悟で思いのありったけを伝えましょうか。

究極の選択をするのは、パワーがいりますよね。
とはいえ、昭和の頃は、今よりもっともっと、これを選びたくても選べなかったのですから、そういう意味では少しいいかもしれません。
ただ、離婚を思いとどまったがゆえに最終的に幸せになるというケースもないわけではないので、どちらがいいのかは、死ぬ前になってみないとわからないかもしれません。

とにかく、お子ちゃまパパ問題は悩ましい!

ここに羅列した方法は、あくまでお子ちゃまパパに対抗するための、林真未の個人的なアイデア集です。これでお子ちゃまパパ問題が解決する!なんて啖呵はきれません。でも、一生懸命考えたので、参考にしてみてくださいね。